とりあえず演劇バナシしてみようと今日この頃。
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Aristocrats : 25/08/05 Lyttelton Thatre NT, London


Photo by Tristram Kenton

★★★★☆(4stars)
とくに何か劇的なわけでもない。
ただ、そこには"人"が居て"生活"があった。
たんたんと進む2時間が長くもあり、現実的でもあった。

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1970年代アイルランド。
地元の判事の家には末娘の結婚式の為に家族が集まっている。
昔の繁栄を何一つ残さない、ただ大きいだけの家とそこで育った人々の話・・・

(オリジナル投稿日:2005.08.26 Friday 13:18)


ホント、衝動で観てしまった為(チケットも買ってないのに、家を1時半に飛び出して、2時15分開演の劇に何とかすべりこみした(笑)
特に何の話なのかも全く知らずに観賞したのですが、
未だに"深い部分"はよく分かりません
きっと、アイリッシュの歴史やカトリックの文化とか色んなテーマがあったのだろうけれど、私にとってこの作品は"家族とは"。
このプロダクション、きっと狙いは家族の絆を考えさせる事だったのだと思うし。



家族団らんで食事をする家庭が少なくなっていく今、私達にとって"家族の歴史"や"家族が属する位置"とは一体どうゆうものなのだろう。
[Aristocrats](貴族)として大きなお屋敷に代々住む由緒正しい家系の末路を描いたこの作品。
一家の頭である父はボケ、その昔反階級制デモに参加しそのまま妊娠した長女は今では家に戻り、父の面倒を見る為に一人で屋敷を切り盛りしている。
そんな屋敷に唯一の"音"を与えるのがピアニストでショパンをこよなく愛する末娘。
奨学金を貰いパリへピアノ留学をする所だったのを父に反対され、
今でも屋敷を出る事なく地元の子供達にピアノを教えている彼女のメロディは、シーン一つ一つのタイトルにもなっている。
そんな彼女も、30歳年上の人と結婚する事が決まり、
式に参加する為、集まった姉弟達。
アル中の次女のアリスは、この屋敷でずっと働いていた祖母を持つ旦那を連れてロンドンから、
この家の唯一の息子は"誰も会った事のない"妻と暮らすドイツからそれぞれ十数年ぶりにやって来る。

この息子、カシミアーが結構キーキャラクター。
彼は知的障害者で、ありもしない現実―想像の世界に半分住んでいる。
演じるアンドリュー・スコットさんがとにかく上手くて、
喋りっぱなしのキャラだったにもかかわらず、彼の台詞は飽きずにちゃんとフォロー出来た。
スコット氏はバンド・オブ・ブラザーズとかMy Life in the filmとかテレビ作品でよく見かけてて、”普通の役者”ってイメージが(イイ意味で)あったのですが、
この作品では完全にしてやられました。 これでもしオリヴィエ賞にノミネーしなかったら、わたしゃ悲しくなっちゃうよ。

カシミアーの言う事は、嘘八百ばかりで観客は結構"呆れムード"だったけれど、その素直で純粋無垢な子供のような性格に、皆心底彼に愛着を持ったのではなかろうか。
(私はもうムギューって抱きしめたかったよ[:ポッ:])
彼が語る昔話の一つに小さい頃、父が彼に
「お前は幸せだな。もし、この屋敷の下に広がる町で生まれていたら、お前はただのバカ者(Village idiot)だったが、
お前はこの屋敷で生まれたから学を持てたのだ」
と言ったというものがある。
階級人物にありがちな、傲慢な父として振舞ったこの家の主人はもう娘が誰なのかすら分からない。 何とも皮肉である。

ちなみにもう一人の娘、アンナは数十年前に南アフリカに行ったっきりで、
そんな彼女が送ってきた"テープ"には彼らがこの屋敷で暮らした最盛期の思い出が詰まっている。
実家が荒れ果てた事実なんて知らない彼女が語る思い出話は暖かい雰囲気に包まれている。
聞いているだけで、ノスタルジックな気分に浸った。


2時間とにかく、"大きな事"がドーンと起こるわけでもなくただヒタヒタと、ゆっくりと時が進むこの作品は、
衝撃的な演出が多い最近のロンドンとは打ってかわって、おだやかな気分になった。
悲しいけれど暖かい。 ツライけれど未来はある。
劇ラスト、父が発作で亡くなり、財産わけをする子供達は誰も何も欲しがらない。
兄弟間で醜い争いが起こるわけでもなく、
同じくLytteltonで上演していて、テーマも家族だった"The House of Bernarda Alba"とはかなり対極的でした。
ただ、喧嘩して本音をブチまけあう家族と、微妙にスレ違いそうになる家族。それぞれ利点と悪点があるのだろうけど。


・・・と、書いてみたのですが、実はこの家族問題以外にも色々とあった作品で(観てる時は"ほんとにシンプルな作品やなー"って思ってたのに!)
書けば書くほど、考えれば考える程に奥が深いです。
地元の人や、屋敷住まいの"喋らないジョージ叔父さん"、カトリック系貴族を研究するアメリカ人学者なんかとの人間関係も凄く面白かった。
大きい舞台をまんべんなく使った演出で、一箇所で誰かが喋っていても、違う場所ではそれぞれ別のアクションが起こっているという、
本当に”現実的な光景”(本を読んでる人あらば、ゲームしてる人に酒を飲んでる人がバラバラに寝転がっていたりする)が広がっていて、
集中力が全然つながらなかったのですが、
案外そのアクション一つ一つを全て見れていたんだなと今になって意外に思う。
特に何か一つ特出して覚える物がない分、この作品のエレメント全てを平等に記憶している。
本当におだやかな作品で、こうゆうのを"Hedda Gabler"とか系を観た後に見ると凄くほっとするよ。


付け足し:
やはりこの作品のメインテーマは"家族"で合ってるみたい。
何せ作者本人がこの劇を書いてる時につけた日記の中に、
“The play – this must be remembered, reiterated, constantly pushed into the centre of the stage – is about family life, its quality, its cohesion, its stultifying effects…. Class, politics, social aspiration are the qualifying décor but not the core.”
(この劇は家族の生活、その質、団結性、そしてバカバカしさについてだと覚えておいてもらわねばならない。
階級制度や政治、文化などはこの劇を支える材料の一つだが、核では決してないのだ)
と書いてあるので。
私が思っていた事とドンピシャで、やはりこのプロダクションは正に伝えたい事を伝えきった”成功”作品なんだなぁと思った。


Production info:
By: Brian Friel
Director: Tom Cairns
Sound: Paul Groothius
Lighting: Bruno Poet
Management: National Theatre
Cast: Sam Beazley, Stephen Boxer, Brian Doherty, Dervla Kirwan, Peter McDonald, Gina McKEe, T P McKenna, Marcella Plunkett, Andrew Scott
Web Site:National Theatre, The Stage, Whatsonstage.com
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2007⁄11⁄09(Fri) 15:14   演劇*感想 | Comment(0) | Trackback(0) | ↑Top


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ロンドン大学で演劇を専攻中!
・・・そんな雰囲気醸し出してないですが。

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